パンサラッサコラム

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鑑定基準の変遷について

ダイヤを査定させていただく際に、「古いダイヤモンドは安くなってしまうの?」とか、「鑑定書が古いものは査定が下がるの?」といったご質問を頂く事があります。
確かに、古い鑑定書の付いたダイヤモンドの査定額が新しい鑑定書の付いた同じグレードの物よりも下がってしまう場合がございます。
しかし、鑑定書が古いからお値段が下がっている訳でも、昔買った物だからお値段が下がるわけでもありません。
簡単に言いますと、昔よりも今の鑑定基準が厳しくなっている為、今鑑定書をとり直すとグレードが下がる場合があるという事なのです。
では、詳しく説明していきましょう。

昭和52年 主だった鑑定機関が参加してAGL(宝石鑑別団体協議会)が発足

現在日本には数多くの鑑定機関があります。日本の鑑定機関の多くは、アメリカのGIA(米国宝石学会)の鑑定基準を元に鑑定を行っていますが、昔は鑑定機関同士が同一基準で見るという意識がなかった為か、かなりのバラつきがみられました。 このAGL発足後は、AGL加盟団体内での鑑定・鑑別用語の統一や鑑定機関ごとのグレーディングのバラつき解消等を行っていきました。

平成6年 今まで統一基準が無かったラウンドブリリアントカットに対する評価の統一

平成6年 今まで統一基準が無かったラウンドブリリアントカットに対する評価の統一

日本は他の国と比べカットの評価を重要視するといわれています。昔はカットの良し悪しよりも重量を重視していましたし、カッティング技術も今とは違いますのでカットのバランスが悪い物も多いのですが、明確なカット基準が無い中でもカットバランスの良い物は高値で取り引きされていました。明確な基準がないと比較評価が難しく、カット評価の基準を統一する必要が出てきました。 この時、海外ではカットグレードに関しては研究段階という事で評価をしていませんでしたので、日本は独自にカットグレーディングの基準を作る事にしました。こうして完成した物がAGL基準によるカット評価です。

平成8年 カット評価に次いでカラーグレードの評価基準統一

カット評価の統一後、AGLはカラーグレードの評価基準統一を目指しました。このカラーグレードはマスターストーンと呼ばれる色見本と比べて評価されますが、昔は鑑定機関が独自のマスターストーンを使用していたため、ある鑑定機関でDカラーが出ていたのに、他の鑑定機関に出し直したところFカラーになってしまうという事が起こっていました。

この統一後は、AGL所属鑑定機関内でのカラーグレーディングは同じ基準で行われるようになり、DからJまでのグレードはAGLの認定を受けたマスターストーンが使用されています。

※このカラー認定以降の鑑定書には「JJA/AGL認定マスターストーン セット・No.000」という形で表記されています。

平成8年 カット評価に次いでカラーグレードの評価基準統一

平成18年 アメリカのGIAが新たなカットグレーディングシステムを発表

平成18年 アメリカのGIAが新たなカットグレーディングシステムを発表

今まで海外の鑑定機関ではカットに関しては研究段階ということでグレーディングがされていませんでした。これはカットのバランスには無限の組み合わせがあり、一概にどのバランスが良いとも言えない事が原因でした。GIAはこのカットバランスを一般的なラウンドブリリアントカットがとり得ると考えられる組み合わせ、約3850万通りに分類し、コンピューターにカットデータを入れるとこの組み合わせからカットの評価をはじき出すという方法でカットのグレーディングを可能にしたのです。

これまで日本で行ってきたAGL基準によるカットグレーディングは、ある一点からどれだけ離れたかによってグレードを決めるというものだったので、このGIAカットグレーディングシステムを使用する事によって、今まで日本でEXCELLENTとされていなかったバランスのカットでEXCELLENTが出る可能性が出てきましたし、また評価対象となる項目が増えた為に、今まで日本の基準でEXCELLENTとされていた石がVERYGOODやGOODになる可能性も出てきました。

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